昨日倉敷鷲羽高校の学校保健委員会に出席してきました。

 

保健計画や保健室経営計画、保健室の利用状況などから生徒さんにより保健委員会の活動報告などを聞かせてもらいました。

 

その中の質疑応答で

 

除菌をうたった置き型グッズ(クレベリン等)の有効性はどうか?というものがありました。

 

ドラッグストアに行くとこの時期結構目につく場所に置いてあります。

 

これ、有効なんでしょうか?

 

置いたり、首からかけたりするだけでウイルス対策ができるなら簡単でいいですよね。

 

ただ感染対策としてこのようなグッズの使用を薦めているのを聞いたり、読んだりしたことはなく、自分の中でも置くだけでは有効性が低いのではと漠然と考えていました。

 

良い機会なので積極的に調べてみました。

 

まず、クレベリン等のグッズは安定化二酸化塩素を使用しています。そのガスが放散することによりウイルス感染などの予防を狙っているとのことです。

二酸化塩素ガスはミルトンなどの消毒薬で使用されている次亜塩素酸ナトリウムの約2.5倍の酸化作用を有し、すべて微生物(もちろんインフルエンザをはじめとしたウイルスも含みます。)に有効です

 

が、この二酸化塩素、日本国内で消毒薬として未認可なんです。

つまり医薬品としての販売ではなく、雑貨として販売されています。

医薬品でないと日本ではウイルス感染を予防できる旨を商品の効能・効果として表示することはできません。つまり少なからず不当表示があるので注意が必要です。

 

また感染対策の基本は消毒薬による清拭で、ウイルスなどのが付着したものに対してガスでの消毒は効果が弱く感染症法では推奨されていません。

 

ということは、はっきりとしたデータが示されたものはないため断定はできませんが、有効性はゼロではないが、それほど期待はしないほうがいいと思われます。

 

また、このガスは目や呼吸器の粘膜を刺激して咳や喘息を誘発する危険性があるため多数の方がいる場所では勧められない、つまり学校や病院では使用しない方がよいです。

 

さらに調べたところ独立行政法人国民生活センターがおこなった据え置き型の空間除菌をうたった商品に対する調査では、二酸化塩素を有効成分とうたっているにも関わらず放出が皆無である製品の存在や自社での有効性・安全性が確認されていない製品が多数ある実態があるようです。

参照:http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20101111_1.html

 

 

環境を消毒するなら接触することが多いドアノブなどを一日一回アルコールなどで清拭するのが良いです。壁や床などを含め接触する可能性が少ないところは必要ありません。

 

また感染対策としては今までも言われている通りきちんと手洗い、うがいをすること。

しっかり寝るなどをして免疫力を下げないことも重要です。

 


鷲羽高校からみた景色
海まで見えていい景色です。

 

倉敷市児島柳田町598-2

小河原耳鼻咽喉科

小河原 悠哉